ヨーロッパ旅行
にゃりこは小学校3年生の長期休暇に、毒母が「たまにはにゃりこと祖母も連れて行ってやる」ということで3人でヨーロッパに行きます。
連れて行ってやるという割には、毒母は自分自身の旅行代を少し出しただけで、ほとんど祖母が費用を出しました。
旅行先はオランダ、ベルギー、フランスの3カ国で期間は1週間程でした。
毒母売り物を破損し、にゃりこのせいにする
にゃりこたちは、綺麗で高級な花瓶が売っているフランスのお土産屋さんに入ります。
にゃりこは、入った瞬間すごく高そうな割れ物がたくさん見えたので、引っかからないようにしようと慎重に行動していました。
すると次の瞬間、
ガッシャーン!とすさまじい音が聞こえました。
毒母が日本円で5万円ぐらいする花瓶をカバンに引っかけて落としたのです。
壊れた花瓶を見たフランス人の店員の女性が激怒して近寄ってきて、毒母が珍しく動揺しながら(毒母は普段冷静沈着で滅多に動揺しない)、英語で一生懸命謝っていました。
にゃりこは大変なことになったと思い、その様子を見ていて何を言ってるかはわかりませんでしたが、はっきりとにゃりこにもわかる英語が聞こえてきました。
「child~」
次の瞬間フランス人の店員の方を見ると、店員がものすごい目つきでにゃりこを睨みながら怒鳴っていました。
毒母が、花瓶を落とした犯人はにゃりこであると伝えたのです。
でもそのおかげか、花瓶は弁償せずに済みましたが、にゃりこは犯人にされてすごく嫌な気持ちになりました。
毒母の気の利かなさ
にゃりこはこの旅行の時ほど、毒母と長い日数一緒に過ごしたことがなかったので、毒母の様々な気の利かない点に改めて気づきました。
例えば、エレベーターを降りる際は我先に降りて行き、にゃりこと祖母が後から降りるとしても、全く気にかけずドアは押さえたりしません。
またヨーロッパから日本に帰る時に、荷物をまとめたら祖母の荷物が予想以上に多くなってしまい、毒母に祖母が
「悪いけど少しだけ持つのを手伝ってくれない?」
と聞くと、(祖母は荷物を持つだけではなく、にゃりこの世話もしながら歩いていた)毒母が、
「私も両手に荷物持ってるから持てない!」(こう言って少量の荷物を両手に持ち、見せる)
と言い、荷物を持つのを手伝いませんでした。
するとにゃりこが
「おばあちゃん、私がひとつ持つから大丈夫だよ!」
と声をかけて祖母の小さい方の軽めのスーツケースを持ってヨーロッパから家まで帰りました。
この時点で小学3年生の私の方が、毒母より気が利いていました。
(毒母は普段から全く気が利きません。例えば雨がざんざんぶりでも、洗濯物を取り込まなかったり、周りがどんなに忙しそうでも、手伝いましょうか?などの言葉は決してかけません。基本的にいつも座っていて、動きません。毒母曰く気がつかないとのこと。)
毒母のいない帰り道
ヨーロッパから日本まで飛行機で来て、電車で横浜まで3人で帰りました。
横浜駅に着くといつも通り毒母は、
「にゃりちゃん、それじゃあ、またね」
と言って自分の家に帰って行ってしまいます。
そこからは、にゃりこと祖母の2人で家まで帰ります。
旅行中色々嫌なこともありましたが、にゃりこにとっては普段一緒に暮らしていない毒母と長い日数過ごせる貴重な旅行でした。
にゃりこは、毒母と別れたあとの横浜から家までの祖母と2人の帰り道にとても寂しくなり、涙がこぼれ落ちそうになりました。
それからにゃりこは、やっぱり毒母と一緒に暮らしたいと思うようになります。
この頃のことを思い出すと、毒母のようなとんでもない女でも私にとってはかけがえのない母親だったんだなと思います。
なおこの後、毒母とまた旅行に行こうと約束していましたが、次の年からSARSが流行り出してしまい行けなくなり、この旅行が毒母との人生最後の旅行になりました。
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